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患者様の状態
どんな作り方でも痛みがでにくいお口の方、逆に安定させるための手法が限られている方がいます。入れ歯は製作過程でコンマ数ミリですが、誤差が生じます(この誤差をなくすため様々な努力をしています)。また、製作の際に技工士さんは硬い石膏模型上で入れ歯を作っていきます。
しかし、実際のお口の中の歯茎は石膏のように硬いわけでなく、歯茎が厚いところや薄いところが混在しています。そのため、入れ歯が噛んで沈んだところまで完全に再現することは難しいといわれます。
2
完成までの歯科医師の力
きちんとした義歯の製作経験が多い歯科医師は知識、技術が安定しています。患者様のお口の中は個人差があり、お口の中の解剖学的知識と多くのいい義歯を見てきた歯科医師は、義歯の外形をみてどこが大きくて、どこが足りていないのかすぐに判断ができます。
また自分で作った経験のある歯科医師は、技工士さんに伝えるポイントも、エラーが生じやすい部分もしっかりと伝えることができます。ほとんどの技工士は直接患者様のお口の中をみることがありません。歯科医師からのコメントと模型の情報しかありません。
院長自身、数多くの義歯を診させていただき、解剖学的知識・義歯製作の経験知識を持った歯科医師のもとで学び、技工士ともよく連携をとっていたのでご安心ください。
3
技工士の力
義歯に精通した歯科医師でも、イメージ通りに義歯を再現してもらえなければ、いい義歯を作ることはできません。
いい型どりをしても、技工士さんが好きな形で作っていてはとても残念な結果になってしまいます。
提携している技工所によって、同じ歯科医師が作っても、仕上がりにかなりの差があります。正確な義歯を作った経験があまりない技工士は歯科医師が伝えたことの意味が分からないことも多々あります。
歯科医師と歯科技工士が共通のイメージをもち、双方が意見しあえるのが最も理想的な形です。
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入れ歯の調整力
新しい入れ歯は新しい靴と同じように靴ずれのように擦れて痛みが出ることがあります。靴は伸び縮しますが、入れ歯は樹脂でできているため、1日・3日後・1週間を基本として最初は痛みが出ることを前提に調整が必要になります。
稀に調整に来ていただいた時に全然痛くなかったといってくださる方もございます。とはいえ運任せではなく、製作の過程で、可能な限り誤差をなくし、どこに咬んだ時の力の負担を求めて、痛みが出にくくするか、咬んだ時にどうすれば安定するかなど、後の調整が楽になるように様々なことを考慮し一つの入れ歯を製作します。