アミロイドβ仮説・病原体仮説との違い
アルツハイマー病の原因をめぐっては、複数の理論が提唱されています。特に「アミロイドβ仮説」「病原体仮説」「炎症仮説」はそれぞれ注目するポイントが異なり、病気の発症メカニズムや治療法の開発にも大きな影響を与えてきました。
ここでは、代表的な3つの仮説の違いを整理し、それぞれの特徴を明確に比較します。
1. アミロイドβ仮説は異常なたんぱく質の蓄積に注目
2. 病原体仮説はウイルスや細菌の関与を重視
3. 炎症仮説は体の防御反応が悪化の引き金になる点が特徴
アミロイドβ仮説は異常なたんぱく質の蓄積に注目
アミロイドβ仮説は、アルツハイマー病の発症において脳内に異常なたんぱく質が蓄積することが中心的な役割を果たすという考え方です。具体的には、アミロイドβというたんぱく質が脳内で凝集し、神経細胞の周囲に沈着することで細胞の機能が障害されるとされます。
この蓄積が神経細胞の死や記憶障害、認知機能の低下などの症状につながるという説明がなされています。長年にわたり、アミロイドβの蓄積を抑えることが治療のターゲットとされてきましたが、十分な効果が得られていない現状も指摘されています。
病原体仮説はウイルスや細菌の関与を重視
病原体仮説は、アルツハイマー病の発症や進行にウイルスや細菌などの病原体が関与している可能性に注目しています。この仮説では、特定のウイルスや細菌が脳に侵入し、免疫反応や炎症を引き起こすことで神経細胞にダメージを与えると考えられています。
実際に、脳の組織からウイルスや細菌の痕跡が検出される事例も報告されていますが、すべての患者に当てはまるものではなく、まだ仮説の域を出ていません。とはいえ、感染症対策や免疫の視点からも研究が進められています。
炎症仮説は体の防御反応が悪化の引き金になる点が特徴
炎症仮説は、脳内で起こる防御反応が逆に病気の悪化を招く点に着目しています。本来、体の炎症反応は外部からの侵入者を排除するための仕組みですが、この反応が過剰になることで神経細胞へのダメージが蓄積し、アルツハイマー病の進行を促す原因となると考えられています。
つまり、炎症が身体を守る働きから一転して自らを害する方向に転じてしまうというメカニズムに注目しているのがこの仮説の特徴です。他の仮説とは異なる切り口で、近年ますます関心が高まっています。
アミロイドβ仮説・病原体仮説との違い
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