
咬合支持が弱まると、単に噛む力が落ちるだけでなく、全身の健康や寿命にまで影響が及ぶことが明らかになっています。食事の摂取量や栄養バランスの悪化、誤嚥や肺炎などのリスク増加、生活意欲の減退、さらには要介護や寝たきり状態への進行など、多面的に悪影響が重なりやすくなります。
ここでは、咬合支持の低下がどのように死亡リスクの上昇とつながるのか、具体的な側面ごとに整理します。
- 栄養不足による体力低下が進みやすい
- 誤嚥や肺炎などのリスクが上がる
- 生活の質が下がり、活動意欲も減る
- 口腔機能の低下が要介護や寝たきりにつながる
栄養不足による体力低下が進みやすい
咬合支持が弱まると、硬い食材や繊維質の多い食品を避けがちになり、食事の内容が偏りやすくなります。その結果、たんぱく質やビタミンなどの重要な栄養素が不足しやすく、体力や筋力の低下が進行します。
特に高齢者では、食事から十分な栄養が摂れなくなることで、免疫力の低下や病気への抵抗力の弱体化が生じがちです。こうした変化が重なることで、健康状態が徐々に悪化し、最終的に寿命にも影響を及ぼすリスクが高まります。日常の食生活で感じる「食べづらさ」が、想像以上に全身の衰えにつながる点に注意が必要です。
誤嚥や肺炎などのリスクが上がる
噛む力が低下すると、食べ物を十分に細かくできず、飲み込み時に誤嚥が起きやすくなります。誤嚥とは、食べ物や液体が誤って気道に入る現象を指し、高齢者ではこれが肺炎の原因となることが多いです。
特に、口腔機能が落ちている場合、咳で異物を排除する力も弱まりやすいため、誤嚥性肺炎に発展しやすくなります。肺炎は高齢者の死亡原因としても大きな割合を占めており、咬合支持の低下が健康リスクの拡大に直結することから、早めの対策が重要です。
生活の質が下がり、活動意欲も減る
咬合支持の低下は、食事の楽しみを奪うだけでなく、会話や外出など社会的な活動への意欲減退にもつながります。「噛みにくさ」によるストレスや、食べられるものが限られることが原因で、外食や人と会う機会も減りやすくなります。
活動量が減ると筋力や体力もさらに落ち、悪循環に陥ることも少なくありません。生活の質を維持するためには、口腔機能をしっかり保つことが大切だといえるでしょう。
口腔機能の低下が要介護や寝たきりにつながる
咬合支持が弱くなり、口腔機能が全体的に低下すると、自分で食事をする力や日常生活の自立度も下がりやすくなります。その結果、介護が必要になるリスクが高まり、最終的には寝たきりの状態に移行するケースも見受けられます。
こうした状態になると、全身の筋力や内臓機能も急速に衰えやすく、健康寿命が短くなる傾向があります。口の機能を守ることは、日々の生活の自立と健康維持に直結していることを改めて意識することが大切です。



